あたしはオレンジを手でくるくると弄びながら、口を開いた。


「あのね、和花」


「なに?」


「驚かずに、聞いてくれる?」


「……怜央君とのこと?」


「そうであって、そうじゃない」


「なにそれ」


「怜央は関係ない。あたし自身のこと」


「……聞くよ?」


あたしは大きく深呼吸をして、そして再び口を開いた……。