急きょ買ってきた。


という感じだ。


「そんな、お見舞いなんてよかったのに」


あたしは和花からオレンジを受け取りながら言う。


「なに言ってるのよ。友達でしょ? 心配して当然じゃない」


和花はまるいクッションを部屋のすみから引っ張ってきて、それに座った。


「でも、いきなり遊びに来るなんて珍しいね」


「うん……。嘘、ちょっと散歩でもしようと思って外を歩いていたら、偶然怜央君と合ったの」


「怜央と?」


あたしは驚いて目を丸くする。