体温計を取り出すと、38度4分という数字が見えた。


起きた時から全然下がっていない。


いざとなればリビングにいるお母さんに頼んで、病院に連れて行ってもらう予定だった。


汗でべとついた首元を手のひらでぬぐったとき、ベッドわきのテーブルにおかゆの入った茶碗と飲み薬が置いてあることに気がついた。


いつの間に置いてくれたんだろう。


その向こうの目覚まし時計を見ると、すでに昼を回っていた。


まるで体の中に鉛でも入っているかのようにズッシリと重たい体をなんとか起こし、木製のスプーンを手に取った。


おかゆの入っている茶碗に少しだけ手をつける。


一口食べれば食欲がわくかと思ったけれど、そうでもなかった。


あたしは気持ちばかりの昼食をとり、薬を飲んで、そしてまた目を閉じた。