怜央はさっきよりもさらに険しい表情をして、あたしを見ている。


怒っているのに、悲しそうな顔。


「ココアのことは偶然だって、俺言ったよね?」


「……言ったけど、でも……!」


「うるさいな!」


あたしの言葉を、怜央がさえぎった。


今まで聞いたことのないどなり声に、あたしは次の言葉を失ってしまった。


「俺と一緒にいるときくらい、ゲームのことは忘れろよ!!」


そう怒鳴り、あたしの腕を乱暴に掴んで出口へと向かう怜央。


それから家に帰るまでの間、怜央は一言も口をきてくれなかったのだった……。