ヴァージン=ロード


「建築デザイナーですか」
「そうなんだ。ちょっとこういう場所は慣れていないから、緊張するよ」

 困ったように小首をかしげる白木さんに、私は少し笑った。私も初めてこういうパーティに出たときは、かっちかちに緊張していた。

「こうして、いつもテレビで見かけている人が実際に歩いているのを見ると、不思議な感じだよね。君もだけど」
「私も自分がテレビに出ているのを見ると、いつも変な感じがするわ」

 私が本音を漏らすと、白木さんが笑った。

「それはそうだろう、自分なんだから」

 ツボにはまったようで、白木さんはしばらく肩を揺らしていた。

「ちょっと意外だった。テレビで見ていたISAKIは、凄くクールなイメージだった」
「どういう意味?」

 私もつられて笑う。

「それじゃあ、そろそろ行くね。楽しかったよ、ありがとう」

 白木さんは、近くに私に話しかけたがっている人が待っているのに気付いたのか、別れの挨拶をした。