バイクには見覚えのある顔。

確か古屋といつも一緒にいる仲間の一人でリーダー的存在の立花 光。本当に高一かってぐらいの顔付きでここら辺では立花に勝てる奴は居ないって言われるぐらい恐れられてる。



『よっ千暁。待った?』


『おせーよ、馬鹿』


多分、立花に馬鹿って言えるのは古屋ぐらいだろう



『なに、千暁の友達?』


立花が私に気付いた。一応同級生なんだけど立花はほとんど学校に来ないから私の事なんて知るはずがない。


『あ?全然』


古屋のせいで顔を腫らしてるのに知らん顔。

やっぱりからかってただけなんだ。こんな奴二度と関わりたくない。


『おい』


足早にその場を立ち去ろうとした時、バイクの後ろに股がる古屋が私を呼び止めた。


『明日は殴り返してみろよ。それとも何もしないのがお前の守り方な訳?だったらてめぇは最高のビビり野郎だな』


ブーンっとうるさいエンジン音を鳴らして去っていくバイクを私はずっと睨み付けていた。