小春と大志が見えなくなったところで口を開く。 「…………………繭、小春たちが後ろに居るの、気付いてただろ」 繭に目をやると、繭が泣き腫らした目をしながら意地悪に笑った。 「……………………知るか、ばーか」 繭がオレを追い越して、階段を駆け下りた。 いいよ。 可愛い可愛い繭の意地悪なら、いくらでも受けるよ。 オレが繭を傷つけた分、しっかりやり返されてやる。 ―――――――――――――――――――小春は、繭とオレのキスを見て、どう思っただろう。