ナンパ男との恋~最終章~

「浮気なんてするわけねぇだろうが。
ったく・・・・」


呆れたようにため息をつきながら
そのまま片手で
私の背中に手を回し
子供をあやすかのように
背中をポンポンと叩いている。


「全然覚えてないの・・・?」


肩に顔を埋めたまま
そう聞くと、


「んー・・・所々
断片的なら・・・」


「教えて」


「断片的だから
んな、はっきりとは覚えてねぇぞ?」


「いいからっ」


少しでも・・・・

知りたい。

少しでも、

安心したい。


「・・・気づいたら
女の肩に腕回して
支えられながら
どっかに横にさせられたような記憶と
女の髪が顔に被さって・・」


・・・それって、

とっさに
輝樹の顔を見上げた。


「キスはしたって事?」


「・・・あぁ、たぶん」


最悪だ。最悪すぎて言葉が出ない。