ナンパ男との恋~最終章~

学年の先生達の自己紹介や、
1年生での取り組みの事
更には、家庭訪問の説明など

先生の長い話が始まった時


「久保さん、お久しぶりですね」


背後から小声で声をかけられ
振り向くと

入学式事件の母親が

何を思ったか

私に話しかけている。


「あ、はい」


そして、前の3人も
私の方を振り向き

にこやかな笑顔で

私達の話を聞いているという


わけわからない形の完成だ。



「入学式の時もですけど
日曜参観も、両親揃って出られてないんですね?
聞くところによると
双子のお子さんなんでしょう?
1人じゃ大変なんじゃないですか?」



何、このすっごく
棘のある言い方は・・・



「いえ、大変というほどでは・・」



変な隙を見せたらいけない気がする。



「やっぱり、お1人じゃ
教育も大変ですものね。
経済的にも いろいろあるでしょうし」



やけに1人を強調してるような気がするけど

しかも、何か小ばかにされてる気もする。