ナンパ男との恋~最終章~

「あー、わりぃ。
俺、ちょっと春菜と話すっから
帰ってくれねぇ?」

私の曇った表情を見て察したのか

輝樹が申し訳なさそうに
そう言うと


「はい、じゃあまた
電話します」


「あぁ、世話かけたな」


「いえ・・・」



他の3人が帰り、

私と輝樹は

リビングの静まり返った部屋で

ただ、黙って座っている。


そして・・・・


「・・・春菜?」


「何・・・」


「こっち見ろ」


うつむいたままの私に

なぜか、輝樹が不機嫌な声で

そう言いながら

顔を上げない私を

無理矢理、輝樹の顔の前にやると



強引なキスをして
それを拒めない私がいる。


お酒の匂いと、女性ものの香水の匂いが混じっていて
昔の不安が頭を駆け巡り
そのまま輝樹に抱きつくように
肩に顔を埋めた。