「私は冷静です!
もういいわ。こんな親子とは
関わりたくないし。
まさし、行くわよ」



そう言いながら
子供の手を無理やり引っ張り


「すいません、失礼します」


その後を父親が追いかけながら
みんなに頭を下げ出て行ってしまうという


本当、一体

この時間は何だったんだと思ってしまうような

呆気にとられた瞬間でもあった。



「春樹くんも教室の方に・・」


「はい」


先生に促され
保健室を出ると


「かーたん、俺
謝った方が良かったの?」


不安気な表情を浮かべ
私の手を握り
横から見上げている。


ほんとに・・・もう・・・・



「春樹はね
女の子守ってあげたんだから
偉いと思うし
本当にかっこいいと思うよ。
ごめんね、嫌な思いさせちゃって・・」



思わず泣きそうになってしまう自分がいる。