ナンパ男との恋~最終章~

そして、着いた先は・・・


「人多いのは好きじゃねぇけど
あいつら連れて
こんなとこ来たら
暴走しまくって迷子になんの目に見えてっからな。
こういうとこは
2人でしか来れねぇし
まぁ・・・ちょうど靴も買えるだろ?」


「うん」


たしかにこんな大きな
ショッピングモールに
広樹達を連れて来たら
興奮して走り回って・・・

想像しただけで
目が回るほど忙しいのが分かる。



何百台停まるんだろうというほどの広さの駐車場に車を停め


輝樹の後ろをついて歩くけれど



「お前なぁ・・・犬じゃあるまいし
横歩けっつってんだろうが」



肩を引き寄せられるように
横に引っ張られ

輝樹と肩を並べて
こんな真昼間に歩けるなんて

何て良い日なんだろう・・・


何て、幸せな日なんだろう。



とか思ってた10分前が
現在・・・懐かしいとすら思える事になるのは
モール店内に入ってすぐの事・・・




「輝樹~っ!!」


甲高い声を上げ
高いヒールを器用に小走りに近寄ってくる
2人の女性。



「輝樹でもこういうとこ来るんだね。
何してるの?」


私という存在は
消されてしまっているらしいし。