ナンパ男との恋~最終章~

急な事に、思わず
輝樹の顔を見上げると


「何だ、キスでもしてほしいのか?」


そう言いながら
笑い、私の鼻をつまんだ。



「へ!?そ、そんなわけ・・・」


何て事を人前で・・・

私も、いくら若干酔っているとは言え
さすがに
まだ、意識は
はっきりしてるんだから・・。

顔をそらすように
横を向いたけれど・・・


「仕方ねぇな」


そんな言葉と
小さなため息が聞こえ

意味の分からない
私の体を
急に起こすと

人目も気にせず・・・

顔が急激に近づいてきた。


「え?え?ちょ!?んー・・・・」



「口開けろって、いつも言ってんだろが」


「・・・!?」



無理矢理、舌でこじ開けるように
キスをし続け・・・



「酒くせぇ・・・ははは」


そう言いながら
笑うと


「健二、俺もう帰るから
送って」


「へ?!もう帰るんスか?」


「あぁ、春菜いじめねぇとな。
こんだけ誘惑されちゃ
飲むより帰りたくなんのも分かんだろ?」


「あー・・なるほど・・ははは」


この2人の会話・・・・

おかしい気がするんだけど・・・


・・・まぁ、いいや。


おかげで、いつの間にか
目の前にいた女性も
いなくなってるし・・・


今は、まだお酒の力で気が大きくなってるけど
冷静になった時
叫びたくなるほど恥ずかしいんだろうな・・・・

なんて考えてる私は

少しだけ成長したのかもしれない。