ナンパ男との恋~最終章~

「ほーんと、春菜ちゃんって
変わんないよね~
童顔だから得だよね。
私なんか、ほら
最近、お肌の曲がり角に突入して
シワが・・・・」


そう言いながら
私に至近距離で
目尻を見せてくるけれど



「シワなんてないですよ?」


「えー?気遣わなくていいってば。
もう、亮のバカが
毎日のように
ババアとか言うから
ほんとにババアになった気分になんのよね」


気遣うとかじゃ全然なくて・・・

美穂さんは職業柄
センスもいいし、肌だってすごくきれいだし・・・


「輝樹も年とんないよね。
もう30過ぎてんのに
何、あいつの肌。
この前の撮影で私が担当だったんだけど
肌とかマジできれいすぎて
あのすました顔殴りたくなったもん。
あいつ絶対
バケモンだって」


真剣にそう語る姿に
思わず笑いがでてしまったけれど

一緒に暮らしてる私ですら

たまに、

輝樹は年とらないんじゃ?

なんて思ってしまうほど

きれいな顔は

昔とまったく変わっていない。

ううん、むしろ

昔よりきれいになってるんじゃないかって思うほど

至近距離での対話は

緊張してしまう。