ナンパ男との恋~最終章~

お酒を飲んで
良い思い出なんて
過去に1つもないんだけど・・・


「心配しなくても
俺も、先輩もいるから
泥酔してもちゃんと介抱して連れて帰るから」


「え?あ・・・うん・・」


そういう問題じゃなくて・・・

あんまり、みっともない姿を

晒したくないわけで・・・


「ほら、飲んで飲んで」


目の前で、そんな事を言われると
飲まないわけにはいかない、この状況。



そんな時間を過ごす事、30分足らず。



「はい、春菜ちゃん」


一度席を立った健二くんが

ようやく飲み終ったお酒を

再び、私の元へ持ってきてくれるという

本当に・・・



・・・どうすんだ。



「あの、健二くん?
私、お酒はもう・・・」



「たまには
羽目外すのもいいじゃん」



そうニコニコと
私の目の前で
飲むのを勧める健二くんは

天使のような顔をした
悪魔に見えてくるわけで・・・


それを断れず
少しずつ、少しずつ
アルコールを体内へ取り入れてしまってる私は

相変わらず、

断れない性格のまま大人にへとなってしまっている証拠だ。