ナンパ男との恋~最終章~

「はい、おしまいっ!
帰った、帰った!」


そう言いながら
私の背中を押すように玄関へ押している。


「あの、サキさん
ありがとうございましたっ
何ていうか・・・
初心を忘れてたというか・・・
昔の私ならどうしてただろうって・・・
だから・・・行ってきます」


「そ、あんたがどうなろうと私にはまったく関係ないけど・・・
もし・・・
逃げ場所探してる時は
ここ来ていいから。
家政婦として住ましてやるわよ」



「うん、ありがとう。
行ってくる」



「単純細胞ちゃん、頑張って」



「うん」



何だか、サキさんの言葉で

一気に前が見えた気がした。


何だか、さっきまでの自分が

本当にバカだったと・・・


そんな気にさえなっている私は

その足で

マンションへと帰り

そのまま108の小田切さん宅のインターフォンを押している。