「私も探すの手伝いましょうか?」


「いえいえ、そんな・・・
大丈夫です。ありがとうござます」


なんてお辞儀をしている時に


「春ちゃん!、いたっ!
たぶんだけど、携帯の音がする」


大慌てで春樹が私の元へめがけ
勢い良く走ってきた。


「探し物見つかったんですか?」



「あ、はい。見つかったみたいです。
それじゃ、また・・・」


春樹の背中を押すように
フロアの端に連れて行き


「どこで携帯鳴ってたの?」


小声で春樹にそう聞くと


「マンション入ってすぐの部屋なんだけど」


「1階って事?」


「うん、輝ちゃんの番号鳴らしながらウロウロしてたら
1階の部屋から音が聞こえるんだってば」


そんな春樹の言葉に

思わず、走り1階へ向かっている。



「ここの部屋」


「108・・・・?」


札には、小田切浩太という表記がされており
春樹が輝樹に電話をかけると
微かに、輝樹の着信音が聞こえる。