ナンパ男との恋~最終章~

「春ちゃんが
そんなどこにでもいるような男誘うわけないじゃん」


「あ、それ俺も同感~!
春さんの好みの顔じゃないよね」


「何、春菜の好みの顔ってあんの?」


「輝ちゃん知らないの!?
春さんって、輝ちゃんの載ってる雑誌見てさー
いっつも、世界一かっこいいんじゃないかって一人でうるさいくらい騒いでんだよ?」


「昔から同じ事ばっか言ってるよね」


「そうそう、物心ついた時はもう既に始まってた」


「へぇ・・・?
それは初耳だわ。
そんな素振りまったく見せねぇもんなぁ?春菜?」


息子達よ・・・
なぜ、今そんな事を暴露してしまうのだ・・・


「・・・・・・・」


思わず黙り込む私を見ながら


「く・・アハハハ
お姉さん、こんな感じなんスけど
俺の春菜が
その、どこにでもいるような男を誘うスかね?」


笑いながら、そんな事を言う輝樹を見ながら
少し考えた様子の女性は


「歩、ウソついてないよね?」


「・・・・・・」


「歩?ねぇってば!
私にはウソつかないよね?」


「お姉さん、ちゃんと彼氏の話聞いてあげてる?」


「え・・・・?」


「俺から見ても、お姉さんと彼氏さんは上下関係出来上がっちゃってるけど
いつもそんな威圧するように話してんなら
彼氏さんの立場としては結構しんどいんじゃね?」


「そんな事・・・・」


「ごめんっ!俺・・・本当言うと・・」

男が突然女性に頭を下げ言葉に詰まっている。


「・・・・何?」

動揺したように静かにそう問いかけると

「今、
・・この関係が正直しんどい。」


そんな言葉に、女性は言葉を失い
頭を下げ続けている男の方をただ見つめている。