ナンパ男との恋~最終章~

「俺が彼氏だったらどうなの?」

状況を変に思ったのか
春樹が口を開いた。

「別に?あんたに聞いてない。
あぁ・・・俺がつけた痕きれいに残ってんじゃん」

そう言いながら
私の首筋をなぞるように手を添えている。




「汚ねぇ手で触んな」


そう言いながら
春樹が男の手を跳ね除けるように払い

私も続くように


「すっごい迷惑なんだけど」


そう言いながら掴まれた腕を
思い切り振り払った。



「ふぅん、彼氏がいると強気なんだ?」


そう薄ら笑いを浮かべると


「またね、ばいばい」



そう言うと
歩き去っていった。



「春ちゃん、あいつが原因?」


心配そうな表情を浮かべ
春樹が私の顔を見ているけれど


「大丈夫大丈夫、春樹ありがとね」


明るく振舞い
何もなかったかのように


「おなかすいたね、早く行こ」


誤魔化すように
春樹の背中を押した。