ナンパ男との恋~最終章~

そして、そのままエレベーターで下の方へ降り
マンションの出口へと2人で歩き向かっていると


前方から、見覚えのある男が歩いてきているわけで・・・

「春ちゃん・・・?」


思わず立ち止まってしまう私は
昨夜の恐怖に近いものを思い返してしまっている。


「ごめん、何でもない」


春樹にそう言いながら
その男とすれ違おうとした瞬間


「っ!?ちょ・・・」


すれ違う瞬間に
手を掴まれてしまい
振り返ると


「それが彼氏?」


睨むようにそう聞いてくる昨夜の男。


「春ちゃん、誰?」


何も知らない春樹が
不思議そうに見ている。


「隣の家の子の彼氏だよ」


動揺を隠すように
そう言いながら、手を振り払おうとするけれど


「そいつが彼氏なの?」


「痛いんだけど・・・」


「答えるまで離さないし」


何なの、こいつ・・・

よりによって、昨日の今日で会うってありえない。