ナンパ男との恋~最終章~

「え?あー・・・
赤くなってますか?」


赤く浮き上がっている手の平の跡の部分をさすり
参ったように苦笑いを浮かべている。



「中、どうぞ?
冷やす物持ってきますので」


「いいんですか?」


驚いたように目を見開いている。


「少しの時間でいいなら
どうぞ」


居座られたら困るし・・・。


「は、はいっ
ありがとうございます!」


感情豊かな表情を見ると
青年っていうより
やっぱ少年に近いかな。


アイスノンを差し出すと


「ありがとうございます」


赤く腫れている頬に押し当てながら


「本当、すいません・・」


目を細め、申し訳なさそうに
頭を下げている。


「ケンカしたんですか?」


普通に、プライベートをズケズケと聞いてしまっている私は
やっぱ、歳をとった証拠なのかもしれない。