「え、あ、うん。
じゃあ、簡単に
何か作るね」


春さんの顔を睨むように見ている
輝ちゃんの横をすり抜けるように
キッチンの方に来たけれど


そんな様子を見ながら
俺の方に近づき

「クソガキが・・・」


そう言いながら
俺の頭をグシャグシャにし
バスルームの方へと姿を消した。


「広樹、ありがとね」


そう小声で言いながら
俺に笑いかけている。


「別に・・・」



「ごはんできたら呼ぶね」


「あ、うん」



自分の部屋に入り
着替えを済まし座ると

その場に寝転がった。


だいたい、マザコンって何だよ・・

輝ちゃんこそ
春さんのストーカーじゃんか。


実の息子相手に
あんなムキになる方がおかしいし。


さっき言われた事に
沸々と怒りがこみ上げてくる。