ナンパ男との恋~最終章~

「名前教えてよー?」


「俺が広樹で、あいつが春樹」


「春樹くんも
番号教えてくれる?」


「あ、俺
携帯持ってないから無理」


「えー・・・・
じゃあ、広樹くんに電話したら
春樹くんとも話せる?」


「たぶん」


そんな状況の中

春ちゃんがコンビニから姿を現し


「ねぇねぇ、からあげ食べる?
美味しそうだったから
買ってきちゃった」


うれしそうに
袋から取り出しながら
歩いてくると
手前にいた俺に差し出した。


そこでようやく
女集団の存在に気づき


「あ・・・ごめん。
えーっと、じゃあ
先に行ってるね」


慌てて、そう言うと
自分の飲み物すら取らず
コンビニの袋ごと
俺に渡し
スタスタと歩いて行ってしまうという
何とも
おもしろい行動だ。