ナンパ男との恋~最終章~

「騙す必要なくね?」


そう言う俺の言葉が
興奮気味の香織に届くはずもなく


「どうして?
何で私だけ見てくれないの?」



話がズレすぎて
泣き始めてる、この状況は


本気で勘弁してほしい・・・



そして、香織は


「私、別れたくない・・・」


別れるとか言ってないんだけど。


もう、話がごちゃごちゃしてるような気がする。



「別れるとか言ってねぇじゃん。」


「だって、春樹
私と別れて
その人と付き合いたいんでしょ・・」


はぁ?

何だ、何かぶっ飛んだ妄想してないか?



「だから、母親だっての!」


「もういい・・・」


そう言って、店を飛び出して行ってしまった。


「で、春ちゃん
こういう場合
どうすればいいわけ?」


大きくため息をつき
春ちゃんの方を見ると


「春樹が、春ちゃんとか言うから
たぶん信用してくれなかったんだよ。
お母さんって呼べば良かったのに」


いや、たぶん・・ってか確実に
そういう問題じゃないと思う。