ナンパ男との恋~最終章~

「半分ずつすれば、どっちも食べれるでしょ?」


「春樹ってば・・・・
何ていい子なの・・・」



意味分かんないとこで
褒められるし。


店の隣に設置してあるベンチに座り
クレープを食べ始めると


「甘いけど、美味しいね」


うれしそうにそう言いながら
口にクリームがつくのも気にせず
かぶりついている。



「はい、交代」


「え、ちょっ!?まだ半分・・・」



無理やり取り上げたクレープを
悲しそうな表情を浮かべ見ている春ちゃんを見ていると

本当、見てて飽きないって
こういう事なんだろうなって思う。



「食べ終わった?」


アイスじゃなくて良かったってくらい食べるの遅いし。


「うん。でも・・・」


何やら考え込んでるけど。



「でも、何?」


「甘かったから、水飲みたい」


「はいはい、じゃあ
買ってくるよ」


目の前にあった自販機で飲み物を買い
春ちゃんに差し出すと


「春樹ってば、優しい子に育ったね」


飲み物を受け取り、しみじみとしてるし。