ナンパ男との恋~最終章~

「あっ!!春樹
クレープあるよ?」


目を輝かせ
路上にある、クレープの文字を掲げた露店を見ながら
俺の腕をバンバンと叩いている。


「うん、あるね」


そっけなく、そう言うと



「・・・・・」


何も言わず、少しテンションが下がった様子の春ちゃんになってしまった。



「あ、いや、おいしそうだね。
ちょっと食べて行こうよ」


こういう時は
さりげなく言わないと・・・



「う、うん。どれがいいかな。
甘いのがいいよね。でも
せっかく歩いたのに意味ないかなぁ・・」



ニコニコしてうれしそうに
メニュー看板を見上げている。


・・・やっぱ食べたかったのか。



そして、


「チョコバナナもいいけど
イチゴのもおいしそう・・・・
どっちがいいかな・・・」



子供のように悩んでいる。


ほんと、どっちが子供なんだか。



「チョコバナナと、イチゴのやつ1つずつ」


「はい、ありがとうございます」



勝手に注文した俺の顔を
キョトンと見上げている春ちゃんは

本当、感情が素直に顔に出るタイプなんだと
つくづく思う。