ナンパ男との恋~最終章~

「そういえば、時田って
昔、久保くんに憧れてるとか
言ってたよねー」


「そういえば言ってた言ってた!」


女性2人が思い出したように
そんな話をするものだから


「あいつって、同じクラスとかだったっけ?」


「へ!?あ、うん。
覚えてない?」


輝樹に聞かれて驚いたのか
戸惑ったように答える女性。


「あんま学校来てねぇしなぁ・・」


「そうだったよね。
正樹くんの方は、来てたよね」



「あぁ、そうだな」


昔を思い出したのか
ふと輝樹から笑顔が見え

そんな顔を
じっと女性達が見ている。


そして・・・・


「はーるなちゃん。
ほら、旦那が
他の女に微笑みかけてるよ?ふふ」


完全に酔っ払いと化してる美穂さんが、私の腕をつつき
笑っている。


「もー、また変な事言って」


そう笑いごまかしてるけれど・・・

私の心の中は

輝樹が他の女性の前で
ああいう表情をした瞬間
黒い感情がグルグルと
心の中を回っていて

本当に、醜い狭い自分を実感してしまうんだ。