歩いていた僕に話しかけた女の子は


多分同い年くらいで身長も僕と同じくらいで


僕はうっすら笑って


「えっと……仁哉…です」


なんて言ったんだ


勿論作り笑顔なんだけど




『じん?じゃぁ、じんくんね!』
 

僕が作り笑顔をしても彼女は
可愛い笑顔でこっちを見た


………しかもなんか略されちゃった…
仁哉なんだけどな、僕



『雪綺麗だねー』


『え、うん……』

なぜか僕は罪悪感を感じていた


『ずっとみてたいなぁ~
 あぁ!お母さんにお使い頼まれてたんだった!!

 早く帰らないと!!
 
 じゃぁ、またね!じんくん!』


『うん……』


あ、名前知らない……


走り出そうとした彼女に話しかけようと
しても言葉が出ない


その時僕が目にしたのは
彼女のバックについていたネームプレート


漢字が読めない僕でも確かに見たのは
名前の最後に『夢』という字が
はいっていたこと



さすがに夢っていう字は
見たことがあったもので