派森は私の隣の席に座る。 そして「久しぶり」とだけつぶやいて前を向いた。 「ひ、ひ、ひ、久しぶりですっ」 なんて、漫画みたいに緊張しなかったけれど、〝久しぶり〝その言葉がとても暖かく感じた。 ________覚えていてくれた。 ただ、それだけのことなのにとてつもなく嬉しくなった。 あの時の私は本当の私だったから 見抜かれたのは初めてのことだったから 鼓動はただ早くなるばかりだった。 もっともっと知りたい。 派森優希のことが。