〈花実side〉 だいぶ震えなくなってきた時 「ねぇ、覚えてる?」 と、藍が私の目をしっかり見つめながら言った。 「私達が出会った時のこと」 そう続けて。 藍は私達の出会った時のことを思い出しているのだろう 1人でクスクス笑っている。 「そんなに笑わないでよ、藍のばか」 なんて言って私もつられて笑う。 私が藍と出会ったのはまだ《藍》ではなく《紫苑》だった時。