「やだ、やだ……やめて!!」 悲鳴に近い叫び声が屋上に響き渡った 「うるせぇんだよ!この長い髪、邪魔でしょ?私が楽にしてあげるから」 1人の女子が幸の髪をひっぱる もう1人の女子が 笑みをこぼしながらハサミを構える 幸は泣きながら やめてと繰り返し叫んでいた 嫌がってもがく幸とは 裏腹に女子の持つハサミが 徐々に幸の髪に近づいて行く 幸が大きく体を動かした次の瞬間 幸の綺麗な長い髪が床に散らばった ヒラヒラと風に舞って行く… 私はただ呆然としていて 言葉もでなかった