先生と呼ばないで【完】




イルカは私たちを引き合わせてくれた。


そのイルカと一緒に描いてくれたなんて…


私、幸せすぎる。


「さ、斉藤先生、大丈夫ですか!?」


横で森本先生が慌てている。


「すみませんっ大丈夫ですっ…」


「あの~、僕のハンカチでよかったら…」


バッグから取り出して私の涙を拭いてくれた。


「あっ…ごめんなさい、自分で拭けます」



森本先生からハンカチを受け取ろうとした瞬間。



「受け取んなよ」



聞き覚えのある、低くて心地よい声。


振り返るとそこには八神くんがいた。


私は驚いて声が出なくて…


数か月ぶりに見る八神くん、やっぱり少し痩せた…


八神くんは私の手を引っ張ると、強引に歩き出した。


「ちょっと、八神くん!?」


振り返ると、森本先生がハンカチを持ったまま呆然とした顔でこちらを見ている。


私も突然の出来事に頭がパニック。