先生と呼ばないで【完】



さすが美術の先生。絵を見たくてたまらないのか、そわそわしていた。

八神くんの方を見ると、受賞者たちがステージに集まり写真を撮っている。


もう少しここで八神くんを見ていたかったけど…私も絵が気になる。


「そうですね、行きましょう」


私は森本先生と会場を出て隣接されている美術館の方へと移動した。


展示室には、沢山の絵が貼られていたがどれも素晴らしすぎて圧倒された。


「さ、斉藤先生!」


森本先生が少し大きな声で私を呼んだ。


振り返ると、そこには…


イルカと戯れている私の笑顔があった。




こ、これって……




あの時だ。水族館でドルフィンタッチした時の。


八神くん、確かデジカメで写真撮っていたんだっけ。


胸の奥で何かが弾けた感じがした。


そして苦しくなって、涙が溢れてきた。



タイトルは…【光と愛】



八神くん……



きっと、水族館の帰りに一人でこれを仕上げたんだよね。


私、こんな風に笑っていたんだ。


八神くんにはこんな風に見えていたんだ。



キラキラしていて綺麗に描きすぎるよ。



涙が頬を伝っていた。