先生と呼ばないで【完】



その言葉がすっごい嬉しくて、胸が締め付けられた。


八神くんは私のこと大切に思ってくれている。それが痛いほど伝わってきて…


嬉しい反面、苦しい。


また、現実に引き戻されるんだもの。



一通り見終わり、私たちは水族館の外へ出た。

腕時計を見ると16時。帰るのにはまだ早いかな…


「この後どーする?ちょっと早めにごはんでも…」


「ごめん小春ちゃん!俺、絵を仕上げたいんだよね」


顔の前で拝むように手をあわせている。


「そっか…あまり時間ないんだもんね、じゃあ私も一緒に行くよ」


「あ、こっからは俺一人で大丈夫だから…小春ちゃんには沢山お世話になって、本当に感謝してる」


急に突き放されたような感じがして、寂しくなる。
さっきまで繋いでいた手も、外に出たら離されたし。
胸の奥がモヤモヤして仕方がない。

これでいいはずなのに……心の中には腑に落ちない自分もいる。