呪われた碧眼人形

紗央莉の父は答えた。

「メアリーの設定を考えているときにある社員から恋愛を絡めたらどうだという意見が出てきたんだ。子ども用の人形にとっては異例のことだったんだけれども、面白そうじゃないかってことでこの案は採用されたんだ。

君の今の反応を見てても分かるけど、恋愛設定は子どもたちにあまり気にとめてはもらえなかったようだけどね。」

愛子は紗央莉の父の話を聞きながら、そういえば幼いころ、この西洋人形で遊んでいるときは
こんな設定は知らなかったなと思っていた。

「はい。この設定は私も今知りました。」

「そうだろね。子どもたちにとっては西洋人形でお人形遊びが出来れば十分だからね。」

愛子は幼いころ自分がこの呪われた西洋人形で遊んでいたのかと思うとゾッとした。

今、自分はこの西洋人形に殺されるかもしれないのに。

愛子は西洋人形で遊んでいたことを不思議と思い出すことは出来なかった。