呪われた碧眼人形

紗央莉の父が話を続ける。

「まず、この西洋人形の設定１つ目だけど、この西洋人形には実は名前があるんだ。パッケージを見てごらん。」

愛子は西洋人形が入っているケースの表を見た。

そこには大きな字でMARYと書かれていた。

「マリーですか。」

愛子はMARYの文字を読んでみた。

「実はそれでメアリーと読むんだよ。マリーもメアリーも英語の綴りは一緒なんだけどね。
メアリーというのは聖母マリアが派生してできた名前なんだ。縁起がいいと思って僕らはその名前にしたんだ。」

MARYという読み方を間違えたことに愛子は恥ずかしさを感じた。

そして、この西洋人形にちゃんと名前がついていたことに驚きを感じた。

この憎きメアリーめと愛子は思った。