呪われた碧眼人形

愛子に焼香の順番がまわってきた。

愛子はゆっくり焼香をすませて手を合わせた。

香織との思い出がよみがえってくる。

香織は優しくて賢くておしとやかな女の子だった。

こんな子が西洋人形の呪いごときで死んでまう

なんて未だに信じられない。

そして、改めて西洋人形に対する怒りが

立ちこめてきた。

絶対に呪いの理由をつきとめて

香織の悲しみを晴らそう。

愛子はそう誓った。

棺桶は閉じられていた。

放火であまりに悲惨な死に方をしたのだろう。

遺体がグロすぎて見せられないということだった。

もう二度と香織の顔を見ることはできないのだ。

香織の笑顔が思い出された。

遺影の香織はこちらを向いて微笑んでくれているようだった。