呪われた碧眼人形

「おはよう」

愛子は焦っている今の自分の気持ちを

さとられたくないと元気よく教室に入った。

香織の姿は教室にはなかった。

今日は私が早く学校に来すぎただけだ。

もうすぐすれば香織も登校してくる。

愛子はそう信じていた。

愛子のなかであの夢がずっと尾を引いていた。

お願いだから香織は無事でいてほしいと

強く思っていた。

「今日、なにか課題あったっけ?」

「とくになかったと思うよ。」

愛子とは裏腹に佳奈と紗央莉は

平然としている。

それもそのはず、愛子のように恐ろしい夢を

見ていないのだから。