呪われた碧眼人形

「それで西洋人形がこっちに近づいてきて、
ある程度の距離になると低い声で言うのよ。
絶対に殺してやるって。」

愛子は寒気がした。

西洋人形がしゃべるところまで似ている。

低い声というところも。

いよいよこれは偶然ではないなと思った。

「でも、夢っていうのは見てる人が考えていることがかなり反映されてるっていうから、そんな夢を見たからってそこまで深く考えることないと思うわ。」

佳奈が香織を勇気づける。

きっと佳奈は西洋人形の呪いなんて

信じていないんだ。

「そうよ。もっと明るくなっていいと思うよ。」

紗央莉が佳奈に同調する。

紗央莉も西洋人形の呪いなんて信じて

いないんだ。

愛子も本当は信じたくない。

でも、香織の話をきくと信じずには

いられない。

自分と香織の一致は西洋人形の呪い以外に

なんだというのか。

きっと自分も香織も西洋人形に呪い殺されて

しまうのだ。

愛子はそう思わずにはいられなかった。