愛子はバスのなかでなんとか心を落ち着かせて

バスを降りるころには

いつもどおりの自分に戻っていた。


学校までの道中に友達と出くわした。

「おはよう」

「おはよう。愛子と学校行くまでに会うなんて
珍しくない?」

「ちょっと今日は朝早く起きれたから。」

「そっか。」

もちろん、朝早く起きれたからというのは

嘘だ。

友達の前で西洋人形の話をするのは

恥ずかしかった。

ただ、友達と出会えたことにはほっとしていた。