愛子の高校への通学路は

家からバス停まで歩き、バスに乗り、

バスを降りてからはまた少し歩いて

学校に着くというものだ。


家からバス停まで歩いている間、

愛子は思い出したくもないのに

どうしても西洋人形のことを

思い出してしまっていた。

昨夜の夢はときにおぞましかった。

そして、あの表情は愛子の脳裏に

こびりついていた。

愛子の脳内が恐怖でいっぱいの

その時だった。