最凶の天使

 こんな展開ありなの!?

 幸子はトキメキが一瞬にして恐怖へと代わり血の気が引く。

 身長だって百八十センチ近くあって、いま抱きつかれたので解ったけど、凄くがっしりしてた。

 勝てない! あたしこんなとこでやられちゃうの!?

「キャー!? いやっ! だめえ!」

「盛り上がってるとこ悪いんだけど静かにして」

「えっ?」

 襲われると思った幸子は力の限り叫んだが、青年は冷たくそれを制止した。

 そして、身をかがめて見つめている方向を同じように見やる。

 そこには、暗いスーツを着た男3人ほどが誰かを捜していた。

 この状況からして捜されているのは明らかにこの青年だ。

「あなた、なにしたの?」

「なんにも」

 そう言ってまた天使の微笑みを幸子に向けた。