俺と染谷はさっそくデートをする場所をどこにするか一緒に計画をたてた。

いつもはひなたと行っていた喫茶店で。



傍から見れば俺らは間違いなく仲のいい恋人同士だろう。



「ご注文はお決まりですか?」


「あ、俺いつもので」


「はい。お連れ様は・・・、初めての方ね。何がよろしいですか?」


「私はミルクティーをお願いします!」




ドキっとした。

ひなたと同じものを頼むから。



たったそれだけなのに。




どれだけ忘れようとしても、ひなたを忘れられることはない。


むしろどんどんと想いが大きくなっていくことを自分の中で感じている。

今ひなたの隣にいるのが太陽じゃなくて俺だったらと、何度も思ってしまう。




ちょっと前までは俺がひなたの隣にいたのに。

それがあっという間に太陽のものになってしまった。



そしていずれ、ひなたは俺の目の前からもいなくなってしまうのだろう。


慣れ親しんだこの地を離れる事は、きっと辛いだろうけどひなたならきっと・・・。




太陽の想いをしっかりと受け止めるはずだ。


ずっと一緒にいたんだからひなたの行動は手に取るように分かる。




あいつの好きな物、癖、性格。

全部知っている。



「先生?」


「・・・ん?」


「私の話聞いてた?」


「あ・・・。それでいいと思う」


「もー!聞いてなかったでしょ!」



でももう全て太陽のものだ。