【完】恋の太陽、愛の月

【咲夜side】


………

……






息が止まりそうになった。


目の前の光景を頭の中で処理するのに時間がかかったから。




「ひな。絶対ひなのこと幸せにする。大事にするから」


「・・・嬉しい」




ひなたと太陽が抱き合っている。


そして話の内容から察するに、二人は付き合い始めたんじゃないかと思う。




胸に何かポッカリと穴が開いてしまったような、そんな不思議な感覚が急激に俺を襲った。


幼馴染の一歩先に進んだ二人を見て、俺だけ置いていかれたような。




やりきれない俺の想い。

届くはずのない恋心。



それだけがその場に残された。


ただ、太陽を憎むことはできなかった。



むしろ嬉しかった。




きっと誰かが知ったら変に思うだろう。


でも、これが俺。




二人が大事だから、それを壊さないように必死に守ってきた。


幼馴染という枠を決して超えないようこらえてきた。




だったらこれからも同じ事。


二人が大切なら、陰ながら見守ることだけを考えていればいい。