「た、太陽君・・・私」


「何も言わないでいいよ。ひな」


「でもっ・・・」


「僕も利用したから。あの"約束"」


太陽君は私と咲夜が結婚の約束をしたあの時、近くで聞いていたらしかった。

咲夜は少しあきれ顔でこう言った。


「・・・やっぱりあの時聞いてたのか」


「聞いてた。これは使えるって思っちゃったね。だからおあいこってことで。・・・ひなのこと頼んだよ」


「・・・いいのかよ太陽」


「もちろん咲夜が嫌になったらいつでも僕のところにきていいからね♪」


「んなことあるわけないだろ!!!」


「あははっ」










太陽君はこのまま大学をやめて会社を継ぎ、朝比奈財閥の次期社長に。


丸岡さんは死ぬまで太陽君の秘書であり続けると約束を交わしていた。

それから一生をかけて私に懺悔をする、らしいけど・・・。


そんなこと私は望んでいないから懺悔を日々断らなければならない。


楓ちゃんは東京の大学に無事合格。
咲夜と同じ学校の先生を目指すらしい。

楓ちゃんには幸せになってほしいと、咲夜と一緒に見守っている。




「行くぞ、ひなた」


「・・・うん!」



そして私と咲夜は今年の秋に結婚することになった。


私は東京で新しい花屋さんを立ち上げる計画を立て、咲夜は塾をやめて東京の小学校の先生になると決めた。


新しい道、新しい夢。

そして私の大事な幼馴染。



これから先も三人で笑いながら歩み続ける、未来へと・・・。




「今日遊びに行かない?ひな!咲夜!」


「お前社長じゃないのかよ・・・」


「太陽君ったら・・・」




私は太陽君に恋をして。

咲夜に愛を教えてもらった。


恋の太陽、愛の月。



かけがえのないものを私たちは手に入れた。

真っ白な雪の中で・・・。







-end-