「あれ?ここって駄菓子屋じゃなかったっけ?」


ふと太陽君が指さす方向を見ると、そこは小さなお惣菜屋さん。



「よく覚えてるね太陽君。私たちが中学生の時に変わっちゃったの」


「当たり前だよ!三人の思い出は全部忘れてないよ?・・・でもそっかぁ。変わっちゃったんだ」




"三人の思い出は全部忘れてないよ"


その言葉に私はすごく嬉しくなった。

忘れないでいてくれたんだって。



「なら駄菓子屋のばあちゃん覚えてるか?死んだんだよ。去年」


咲夜がそう言うと、太陽君はピタッとその場に立ち止まった。



「太陽君?」


「ん?どうした?」


一歩先で私と咲夜は太陽君の方に振りかえる。

よく見ると太陽君は下を向きながらぽろぽろと涙を流していた。



「た、太陽君!!」


私は慌ててバックからハンカチを取り出した。

そして太陽君に差しだす。




「咲夜のばかっ!なんでおばあちゃんのことなんて言ったの!?太陽君すっごくおばあちゃんのこと大好きだったのに・・・!今軽く言う事じゃないでしょ?」


「・・・」




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「ばあちゃーん♪」


「はいはい。今日もたーくんたち来てくれたのねぇ」


「うん!!だってここのおかしおいしいんだもん!!」


「そんな三人には今日も手作りまんじゅう作ってあるんだよ。ほれ、お食べ」


「わぁ!おばあちゃんありがと!ピンクかわいい」


「やった!!俺緑!」


「ボク白!!!」


「慌てず食べなさいねぇ?」


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