店の前に咲夜の車がもう来ていた。
ゆっくりと運転手側の窓が開き、咲夜の姿がはっきりと見えてきた。
「ひなたは・・・いいのか?」
「お店の準備とかあるから来ないって!まぁ数日間だけのことだし・・・。寂しいけど毎日連絡もとるつもりだしね!」
「・・・そうか」
僕は後部座席に荷物を置き、助手席に乗った。
車はゆっくりと発進した。
だんだん店が遠くなっていく。
「ねぇ、咲夜」
「なんだよ」
「僕は咲夜の事信じてるけど、一つだけ言わせて」
「・・・」
「ひなのこと僕から奪ったり、しないでね?」
「・・・何、言ってんだよ」
「あるわけないだろうけどさ!うん。分かってるけど。ほら、ひなに今一番近い男って咲夜しかいないし。誤解だったとはいえ、昔はひなを好きだったんだよね。やっぱり少し心配でさ」
「奪うわけないだろ。・・・もう好きじゃないんだから」
「その言葉聞けただけでよかった。・・・じゃああの約束は僕がしたってことにしておいていいよね」
「・・・約束?」
「うん。約束」
「何の話だよ」
「・・・覚えてないならいいよ」

