気付くと目の前に立っていたはずの太陽は奥のブランコまで走っていた。




「久々にブランコ乗ろっと♪」


「俺も乗るよ」


「なんか昔を思い出すね、本当」


「だな」





太陽と俺は隣同士のブランコに座り、必死に漕いだ。


いつの間にかどっちが高くまでいけるか対決までしていた。




「はぁはぁ・・・。やるな、太陽」


「咲夜だって!!」





思い出すのは幼きあの日々。

幼馴染というキラキラ輝く宝石箱が俺の頭の中を支配した。





**


「さくや二人乗りしよーよ!」


「私も一緒にブランコ乗りたいー!」


「ひなたは駄目だよ。女の子なんだから」


「うーさくやのいじわる!」


「ひな、あとでシーソー乗ろう?ブランコの二人乗りは女の子危ないって先生言ってたから、さくやは駄目って言ったんだ。分かってあげて?」


「・・・はぁい」


「よーし!さくや!」


「おう!」


**


昔からあった小さな公園での思い出。

そこももう無くなってしまったけれど。



・・・いつもひなたはどこか二人の間で特別で。

やっぱり今思い出すと、俺らは分かりやすいくらいあいつをひたむきに愛してた。