あたしのトナカイくん

「ふたりとも、後の子たち来たから、もう上がっていいよ」

「あ、ハイ」



バックヤードから顔を覗かせた店長に、戸波くんが返事をする。

あたしたちの後に入るバイトの子たちと引き継ぎを済ませ、ふたり揃って更衣室に向かった。



「……げ。マサトから、すげー着信とメール来てる」



通路を歩きながら、スマホを確認した戸波くんが、顔を歪めてそう呟く。

大方、そのメールにはバイト終わったら合流しない?というようなことが書かれているのだろう。


……戸波くん、行っちゃうのかな。

あの、かわいくてふんわりしてる、アヤミちゃんがいるところに、行っちゃうのかな。


……やだな、そんなの。

そんなの、やだ──……。