共食い。

「梨奈、起きて…!」








近くから秋奈の声が聞こえて私は重たい瞼を必死に開いた。









「あれ、秋奈?もうバスなの?」









寝ぼけていることもそうだけど、秋奈の顔が目の前にあるってことで周囲が見えない。










でも、秋奈の顔は強張っているのはよく分かった。











「秋奈…、私の顔になんかついてる?」









そう言って、私は秋奈にぶつからないように頭を持ち上げて目を擦った。









「なに…、ここ…。」









でも、その目に映ったのは灰色のコンクリートの壁に床に寝ている4人のクラスメイト。